MASCHERA ‐‐Review‐‐

イタリア語で仮面の意を持つMASCHERA。1992年に結成、1997年にデビューを飾ったヴィジュアル系ロックバンド。彼等は当時東海ラジオ(だったと思う)でやっていた「マスケラのハイスピードカフェ」を聴いていてそのとき流れた「ekou」というシングルで好きになりました。デジタルロックサウンドを展開しながらもメンバーの演奏力も結構なものでした。Vo.MICHIの声なんて本当にヴォーカルらしい声をしていて、当時のバンドでもずば抜けてかっこよかった記憶があります。1stアルバムの「iNTERFACE」はそこそこ売れたらしいですが、2ndアルバム「orb」を発売して、バンド生命は燃え尽きました。嬉しいことに近年には復活ライヴも行っている。

レビュー作品

> BEST > orb > iNTERFACE


BEST

BEST(2000)

 メジャー2年半の活動を経て、2000年3月29日の赤坂BLITZ公演を最後に解散した、MASCHERAの解散後に発表されたベストアルバム。全シングル+初期のシングルのカップリングに加えて、インディーズからの名曲も選曲されている。こうしてシングルを聴いていくと最初から中盤にかけては1stアルバムでも前述したようにデジタル色が多少強いながらもメジャー感のあるストレートな楽曲が多い。ここで聴いてもデビューシングルの#1「ゆらり」、#6「e[]kou」、#7「ラストフォトグラフ」辺りのシングルは素直に心を射抜いてくる楽曲で、売れなかったのが不思議なぐらいの佳曲だと改めて思う。そして、タイトル通りのスピーディな展開と音のシャワーによる爽快感を浴びれる#2「Speed Shower」はシングルで切った方が良かったと思えるぐらいの楽曲だ。どちらかと言えば、初期の大衆受けしやすい楽曲に重点が置かれた選曲だが、#11,#12からは妖艶な雰囲気とダークさを持っており、これまでの流れとは一線を画す。やはり彼等のやりたかった音楽というのはこういう音楽だったのかなと感じる。#14,#15はインディーズ期の楽曲。完成度はメジャー以降の楽曲に及ばないが、MASCHERAの持つ個性がよく表れている楽曲だと思う。

 彼等の知名度が低かったのは悔やまれる。いや、世間に注目を浴びていた時期もあった。1stアルバムの頃は人気も右肩上がりだったと思う。だが、その頃よりも彼等の目指したダークサイドの答えを示した傑作の2ndアルバム「orb」を数多くの人に聞いてもらうことができなかったのが残念だ。懸命な光を放ってはいたが、ヴィジュアル系衰退の煽りを受けて終わってしまったバンドといえるだろうな。


orb

orb(2000)

   結果的にはオリジナルラストとなった2ndアルバム。メジャー感の強かった1stアルバムと違い、セルフプロデュースで自由にやれただろうと推測できる今作。1stとは真逆の世界を創り上げることに成功。妖艶で闇の華が咲いているような藍色のダークな世界。これはバンドの音楽性が変わったと言うよりも元々のMASCHERAの音楽性が一気に解放されたと見たほうが正しいだろうと思う。そして、1stで培ったキャッチーなメロディもうまく融合させることに成功し、その見事な対比がなかなかにおもしろい世界観を創り上げるのに一役買っている。。#1,#2こそ前作までを踏襲したメジャー色の強い名残のあるロックチューンだが、#3「マドンナ」から一気にダークネスが広がる。さらに#4,#5で暗黒の泉の深いところへ進んでいくかのようなミディアムチューンでじっくりと世界観を堪能。#6はそれまでの世界観を吹き飛ばす気持ちいいぐらいの疾走チューンだが、摩訶不思議なお伽の世界へ連れられるシングル#7「Alice」で艶かしい物語の続きへ戻される。そして今作でも屈指の名曲だと思う、それまでの世界観を壊さずに際立つピュアなミディアムバラード#8「蜉蝣~水仙の涙~ 」に涙する。ヘヴィで妖しい攻撃度満点のキラーチューン#9「Dragonheads Snaketales」も際立った個性を魅せている。

 #10,#11でこの世界観を昇華していくように終わっていく今作。それまでのダークな雰囲気を払拭した新たな世界が広がる。これはMACHERAのこれから見る新世界かもしれないなと感じる。そして、俺達にも違う世界を見ろよと伝えてくれているのかも。ラストを飾る#11「orbital」の最後のフレーズに「そしていつかまた会おう 小さな星のどこかで」とある、この言葉がきっとMASCHERAにもファンにも希望の言葉となっていつまでも残るだろうな。


iNTERFACE

iNTERFACE(1998)

    MACHERAのメジャー1stアルバム。彼等を知ったきっかけとなったのは当時のラジオ「MASCHERAのハイスピードカフェ」 という番組で彼等の曲「e[]kou」を聴き、興味を持って今作をレンタルしてみたのが始まりだ。

 デジタルロック色の強さとメジャー感の強いポップかつキャッチーな作風に仕上がっている今作。甘い歌詞もさることながら売れ線を意識したと言わざるを得ない女性コーラスがどことなく苦い一品でもあります。程よいカラフルさを魅せながら心地よい疾走感が駆け抜けていくので、個人的には一長一短といった印象。所々で2ndアルバムに通ずるような特有の世界観を魅せ付けている楽曲もありますが、今作では前述したとおりキャッチーなスピードナンバーの方が凛とした輝きを放っていると思う。彼らとの出会いの曲となったメロディに長けた疾走チューンの#3「e[]kou」、切ないメロディと直情のVoが胸を打つロックチューンの名曲#9「ラストフォトグラフ」、MICHIのヴォーカルが存分に活かされている儚いミディアムナンバー#11「乱夢」、デビューシングル#12「ゆらり」と佳曲ぞろい。いかにもヴィジュアル色な#5「超絶の嬰児」なる楽曲も違うカラーを出していておもしろいです。

 何よりも武器となっているのがVo.MICHIの歌唱。うまく表現できなくて申し訳ないが、一瞬聴いただけで惚れてしまった程良い声している。久々に聴いてもこんなにかっこいいヴォーカルってあんまいなくね?と考えてしまう。

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