内核の波 ‐‐Review‐‐

1998年に結成された自称はみだし系のプログレシッヴロックバンド、内核の波。超絶的なテクニックを武器に奏でられる音の嵐というのは圧巻。ライブでは音と合わせて鮮やかな映像とをコラボレーションさせ、まさに五感で感じるフィールドを創り上げている。現在までに2枚のアルバムをリリースし、06年に発表した「殻」は王手プログレラジオのauralmoonというところで2007年第16位にランクインしている。確実に日本よりも世界での方が知名度は圧倒的に高いバンドと言えるだろう。07年には世界的なプログレフェス「BajaProg」「ProgDay」にも出演し、”ロックだぜ!””と”お~いお茶”の心を世界に伝えている。

レビュー作品

> 殻 > 運命の輪


Shell

殻(2006)

  3年ぶりに発表した2ndアルバム。1stアルバムでみせた音楽性はさらに深遠になり、驚愕・興奮・感動のプログレシアターがこの2ndでは開演する。6曲約60分とプログレのフォーマットに近づき、長尺で複雑化した楽曲が多くなっている今作。前作の「プリーズ!」のように一撃必殺の曲こそ無いが、混沌としたドラマ性に磨きがかかり、エキゾチックなシンフォニック・プログレともいえそうな内容になっている。それに加えてとても暗鬱な感覚のオルタナティヴ色が強い。よりバンドの花形となった幽玄なフルートが相変わらず美しく楽曲を彩り、ギター・ベース・ドラムはより強靭でスリリング。そのフルートとヘヴィで深遠なサウンドのコラボレーションというのが不思議な世界観を創り上げている。音符の華が咲き乱れる前作の再録である#1「CRISIS」と騒擾と静謐の連続が生み出す夢のような世界に酔いしれる#5「殻」という15分を越える両輪が本作の白眉。ゴージャスに彩ったプログレの楽園があなたを魅了すること間違いなしの逸品。彼等の合言葉である『ロックだぜ』を叫ばずにはいられません。是非ともスペクタクルな映像効果も合わせて内核の波を五感で受け止めたいと思わされた作品でありました。


unmei
運命の輪(2003)

   内核の波(ナイカクノワ)の2003年に発表した1stアルバム。和製Dream Theatreとも呼ばれる彼等の音楽は往年のプログレファンのみならず、多くのロック愛好家を唸らせる内容である。個人的には#1「プリーズ!」をyoutubeで見て、ギター・ベース・フルートのユニゾンに度肝を抜かれ、ライブ中にも関わらず弁当をノリノリで食べる驚きのパフォーマンスにより一発でファンになった。

 プログレのインテリ気質ながら、ロックへの強いアティテュード、余裕を持ってユーモアをかますようなセンスとテクニック、シンフォニック風味な味付け、実に個性的だ。一瞬の気も抜けないスリリングな展開で臨場感をかもし出し、時に激昂、時に静謐にと楽曲の表情はこれでもかというぐらいに豊かである。何といっても最大の武器といえる幽玄なフルートが歌っているように感じられ、他のバンドとの有効な差別化に繋がっている。10分を越える長尺な楽曲は3曲(#2,#5,#7)収録されているが、時空が歪んだかのような錯覚を受ける刹那の連続に時間を忘れてしまいそうだ。#3ではヘヴィメタル風の重低音を響かせ、#6ではちょっとひねくれた感覚を与えるなど、どんなタイプの楽曲にも対応できる柔軟性とセンスの良さを発揮。そして、Focusのカヴァー#8「Hocus Pocus」は我々の心を掴んで離さないかっこよさ。70年代のプログレを思わすサウンドだけれども、モダンなアプローチを取り入れたり、ハードロックやモダンヘヴィネス、ジャズといったサウンドも随所に織り込んでいる。現代的な構築ができているからこそ、あまり俺みたいに昔の音楽に馴染みの無いものでも楽しめたのかなあと思う。それにしても1stアルバムから圧巻のこの内容には天晴れです。なお、本作は世界流通していないのにも関わらず海外のファンから大絶賛を受けている。日本ではほとんど無名に近いのに外国人のアンテナの広さに逆に驚かされる。

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